2016.8.21(日)~8.28(日)10:00~17:00 ※期間中は無休
参加アーティスト:石村まなみ・土井彩香・永井天陽・三木サチコ

玉島には、徒歩10分圏内に、旨い酒や味噌、魚、豆腐、菓子などの店が並ぶ。
いくつかの店の裏側を見学させてもらった。食を生み出す仕事は、作品を作ることに似ている。一滴の酒、一丁の豆腐の後ろに、素材の吟味、発酵の時間、職人の経験、といった膨大な入力の積み重ねがあり、味を見ては改良する、出力の積み重ねがある。作家も同様だ。自分の気になるものを常に探し、断片のようなメモやドローイングを重ねる。
作品は単なる思い付きではない。根っ子(roots)があり、経てきた路(routes)がある。
作品までの道のりを合わせて展示することで、一見バラバラに見える各作家を繋ぐ「根」と「路」を浮かびあがらせる。
倉敷市玉島


★参加アーティスト

石村まなみ石村まなみ Manami Manami
1987年 愛知県生まれ東京育ち。
2012年多摩美術大学美術学部彫刻科卒業後、東京を拠点に展示やアートフェアに出品し作品を発表。
2016年グループ展「実景」(akibatamabi21/東京)、2015年アメリカ交流展「CROSSCURRENT」(東京都美術ギャラリー/東京)ホットボンドと木、透明樹脂と果物といった異素材を組み合わせて「存在とは」をテーマに作品を展開している。Texas A&M university Corpus Christi 修士課程在学。
【コンセプト】人の生の上に生活が生まれ文化が生まれる。そんな営みの中に芸術は自然発生していくものである。人は大地に耳を傾け、自然の摂理の中に生活を作っていった。人の知恵や習慣、文化はすべて人の行為の上に成り立ち、自然の元に息づいている。私は作品において、思想を所作に変換し儀式的作業のなかで作品を作り上げている。それは人が生きていくなかでアートを生み出すように作品を作っていきたいからだ。そんな人の積み重ねた行為がアートになる瞬間を作品のなかで体現していく。(撮影:朝山啓司)

土井彩香土井彩香 Ayaka Doi
1989年奈良県生まれ。
2015年多摩美術大学彫刻学科卒業。2013年アートプログラム青梅。2013年「雲をつかむ作品達」(東京)。
2015年Haishakkai Art Award2015(茨城県)。2016年NORA×拝借景一Unveil(東京)東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻在学。
【コンセプト】刺青を掘り込む行為は祈りや誓い、信念、時にはアイデンティティーや精神の拠り所にもなりうるだろう。真皮層に入り込んだ刺青の顔料が表皮から色彩を放つ様は何とも神秘的であるが、日本において一般的な概念からは抜け出せずそれは皮膚の下で蠢いている。現代もまた見えない何かに囚われ、抜け出せないでいる。今回、疼きを具現的にあらわした作品を展示している。

永井天陽永井 天陽  Solaya Nagai
1991年 埼玉県飯能市出身。
2016年武蔵野美術大大学大学院造形研究科美術専攻彫刻コース修了。2015年個展「いつかのニュース」(gallery blanka/愛知)、2015年「3/2.4」(Bambinart Gallery/東京)、2014年PHASE2014part3個展「北へ歩いて南へ向かう」(青森県立美術館/青森)。
【コンセプト】世界には継ぎ目や隙間が無数にある。それらはお互いに絡まりあって動いている。動くことによって隙間の向こう側、継ぎ目の先を思わせてくれるように感じる。作品はその動きの中に存在するのではないだろうか。流されるのではなく、作品自体が動きの中で思考するような、そんなあり方を探している。

三木サチコ三木 サチコ Sachiko Miki
2001年 東京造形大学美術学部研究生修了。2016年春、カリフォルニア州立大学ベイカーズフィールド校にてvisiting artistとして滞在制作を行ったほか、国内外問わず積極的に発表している。身体を「世界を認識するための殻」と捉え、その内側を彫刻で表現している。2015年より、アーティストのスキルアップの為の会、E.A.Tを主催。
【コンセプト】内気で泣き虫だけど、スカートは嫌い、男の子っぽいものが好きだった。自分の内側の感覚と外見の好みとのギャップが人間の内側と外側を考えるきっかけだった。そこの物があるだけで表面が出来、中側がうまれる彫刻は、私が考え事をするのにとても合う。考え事は身体でする。4歳から18歳まで水泳をしていた。その後トライアスロン、競技スキー、登山、クライミングと続く。どれも決して上手くはないが、続けることでわかることがある。彫刻も同じだ。器用に思い通りには作れない。しかし私は無意識が求める形が現れるまで手を動かし続ける。協力:CASHI